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雑念を手放す習慣

近年、グーグル、フェイスブック、P&Gなどの企業が社員教育プログラムにマインドフルネスを導入し、その効果が注目されています。スティーブ・ジョブズが禅を愛し、実践していたことは広く知られていますが、マインドフルネスは特に経営者にとって有益な手法とされています。

1. マインドフルネスとは?

マサチューセッツ大学医学大学院のジョン・カバット・ジン博士は「意図を持って今の瞬間に評価や判断を手放して注意を払うことからわき上がる気づき」と定義しています。簡単にいうと、今に集中しているときの頭の中がクリアかつ、リラックスした状態を指します。

ポイントは雑念がわいても自分を責めず、浮かんだ雑念をいったんわきに置いておくことです。「いま自分はトレーニングの最中だから呼吸に戻そう」と意識を呼吸に振り向けるようにします。イスに座り、まずは10分間、この手順でマインドフルネス瞑想(めいそう)を試してみてください。

2. 雑念を手放す実践方法

マインドフルネス瞑想を行うと、ふだん自分の呼吸が浅いことに気づきます。

一例を紹介すると、仏教の僧侶は日常的に瞑想を行っていますが、チベット仏教の僧侶であるマチュー・リカールという人物は〝世界一幸せな男〟と呼ばれています。2004年、1万時間以上の瞑想経験を持つリカールをはじめとしたチベット僧と瞑想経験のない学生の間で、脳の構造にどのような違いがあるのか実験が行われました。その結果、瞑想経験者は脳の特定の機能がより活性化し、島皮質という部分の厚みも増していることがわかったのです。

島皮質は、大脳の深部に位置する領域で、感情、自己認識、身体感覚の処理に関与しています。特に、痛みや共感、直感的な判断といった要素と密接に関係しており、瞑想を実践することでその厚みが増し、自己制御や感情の安定に良い影響を与えるとされています。

3. 企業での活用事例

Googleの「サーチ・インサイド・ユアセルフ」プログラム
Googleでは、社員向けに「サーチ・インサイド・ユアセルフ(SIY)」というマインドフルネス研修を実施しています。このプログラムでは、瞑想や自己認識の技術を取り入れ、感情のコントロールやストレス軽減を図ることを目的としています。

Intelの「クワイエット・タイム」制度
Intelでは、社員が一日の中で静かな時間を持つことを奨励しています。会議や業務の合間に10〜15分間のマインドフルネス・セッションを取り入れることで、集中力を高め、業務の効率を向上させています。

Nikeのマインドフルネス・スペース
Nikeでは、オフィス内に瞑想やヨガができる専用スペースを設け、社員が自由に利用できるようにしています。これにより、ストレスの軽減と創造性の向上を促しています。

4. 経営者にとってのマインドフルネスの効用

日本の著名な経営者であり、経済同友会のリーダーを務めた人物は、重要な意思決定を行う前に必ず瞑想を行っていると語っています。経営者は、周囲の意見を取り入れ、考えを深めるほど迷いが生じやすくなります。多くの情報を集めても、最終的な判断はその人自身の価値観に基づくものです。そのため、自分の価値観を明確にし、判断を下すためにマインドフルネスは非常に有効な手法となります。

また、日々のセルフマネジメントにもマインドフルネスは効果を発揮します。最近、経営者の中で心の問題に悩む人が増えており、私の周りにも精神的な問題で休職したり、会社を閉じた経営者がいます。経営者の一般的なストレス解消法としては、お酒を飲みに行くことが挙げられますが、これは常にストレスが存在しているという前提に立っています。日常生活の中でマインドフルネスを習慣化していれば、ストレスから解放され、結果的に無駄な交際費を減らし大切な人間関係に気付き、安全で安心な環境に身を置くことにもなるのです。