お客様の思いを描く健康経営の取り組みをサポートします。
健康経営とは、企業が従業員の健康管理を経営課題として捉え、積極的に取り組むことです。従来は個人の責任とされていた健康管理が、企業の生産性や組織の活性化に大きく影響することが認識され、健康経営が会社の成長への投資として重要視され健康経営に取り組む企業が増加しています。
健康経営が注目される背景には、いくつかの要因があります。
背景1: 少子化による生産年齢人口の減少と人手不足の深刻化
日本では少子化が進行し、生産年齢人口(15歳~64歳)が急減しています。1995年には約8,700万人だった生産年齢人口は、2015年には約7,700万人にまで減少しており、今後もこの傾向が続くと予測されています。2030年には約644万人の労働力不足が見込まれており、企業が持続的に発展するためには、従業員の健康維持が不可欠となっています。このため、企業が健康経営に取り組む必要性が高まっています。
背景2: 定年退職年齢の引き上げと職場の高齢化
日本の生産年齢人口の減少に伴い、企業は労働力を補うために高齢者の就労を奨励しています。2025年4月から、全ての企業において定年退職年齢が60歳から65歳に引き上げられることが義務付けられ、高齢化が進行している職場では特に、健康で快適に働ける環境の整備が求められています。高齢者が健康に働ける職場環境の構築が、企業にとって重要な課題となっています。
背景3: 従業員の健康状態が企業の業績や生産性に与える影響の科学的証明
従業員の健康状態が企業の業績や生産性に直結することが科学的に証明されてきました。アメリカの臨床心理学者ロバート・ローゼンが提唱した「Healthy Company」の概念により、心身ともに健康な従業員が多い企業ほどパフォーマンスが高いことが明らかになり、従業員の健康管理が企業経営の重要な要素として認識されています。また、プレゼンティーズム(不調を抱えながら働くことで生産性が低下する状態)の発生が企業に与える損害が明らかにされ、従業員の健康維持が企業の競争力を高めるための投資と考えられるようになりました。
健康経営とは、従業員の健康を企業の経営戦略に取り入れることです。以下に、そのメリットを紹介します。
1. 労働生産性の向上
従業員が健康であると、欠勤や休職が減り、仕事の効率が高まります。健康状態が悪い従業員がいると、他の従業員の負担が増えてしまい、全体の生産性が低下することがあります。健康経営を進めることで、このような問題を防ぎ、会社全体の労働生産性を向上させることができます。
2. 離職率の低下と人材の定着
従業員の健康が守られている職場では、離職率が低くなりやすいです。従業員が健康を損なってしまうと、仕事を続けるのが難しくなり、退職を選ぶケースが増えます。健康経営を実施することで、従業員が長く働き続けやすくなり、人材が定着しやすくなります。
3. 求職者へのアピールと採用活動の強化
健康経営に取り組んでいる企業は、求職者にとって魅力的です。従業員を大切にしている姿勢を示すことで、優秀な人材を引きつけることができます。さらに、健康経営の取り組みをアピールすることで、他社との差別化を図り、採用活動を強化できます。
4. 会社の知名度・ブランドイメージの向上
健康経営を進めることで、会社の知名度やブランドイメージを向上させることができます。社員の健康を大切にする企業としてのイメージが広がることで、顧客や社会からの信頼を得ることができます。また、健康経営に関する認定を受けることで、さらなる広報効果が期待できます。
5. CSRやSDGsを重視する取引先へのアピール
近年、企業の社会的責任(CSR)や持続可能な開発目標(SDGs)に対する関心が高まっています。健康経営の取り組みは、これらの社会的な要請に応えるものであり、取引先企業へのアピールになります。特に大企業や金融機関との取引においては、健康経営が重要なポイントとなります。
6. 健康経営の認定制度によるインセンティブの獲得
健康経営には、さまざまな認定制度があります。これらの認定を受けることで、企業は公的な支援やインセンティブを受けることができます。例えば、税制優遇や融資の際の優遇措置などが挙げられます。認定を取得することで、企業はさらに健康経営を進めやすくなります。
【健康経営優良法人や健康宣言事業の認定インセンティブ例】
健康経営優良法人などの認定ロゴマークの使用許可
各自治体のホームページや広報誌での企業名の掲載
公共調達・公共事業の入札時の加点制度(一部の地域限定)
自治体・金融機関による金利優遇(一部の地域限定)
保険会社による保険料割引
健康経営優良法人認定制度とは、健康経営に積極的に取り組む企業や団体を公的に認定・表彰する制度です。経済産業省と日本健康会議が中心となり、健康経営を推進する企業を「見える化」することで、他の企業の取り組みを促進する目的で運営されています。
この認定を受けると、企業は「健康経営優良法人」のロゴを使ってPRでき、ハローワークの求人票などでアピールできます。また、いくつかの自治体では、公共工事の入札時に加点されたり、金融機関や保険会社からの優遇措置が受けられることもあります。
認定制度は、大企業向けの「大規模法人部門」と中小企業向けの「中小規模法人部門」に分かれており、それぞれの部門で特に優れた500社は「ホワイト500」(大企業)、「ブライト500」(中小企業)としてさらに顕彰されます。
なお、健康経営優良法人(中小規模法人部門)においては、後ほど説明する健康宣言事業への参加が申請には不可欠です。
健康宣言事業とは各保険者(各地の協会けんぽや健康保険組合)が実施している制度で、健康宣言をおこなう企業の健康づくりを支援して、保険加入者(従業員)の健康を増進させることを目的としています。
なお、健康宣言事業の名称は各保険者(協会けんぽや健康保険組合)によって異なります。たとえば東京の協会けんぽでは「健康企業宣言」ですし、愛知では「健康宣言」、大阪は「健康経営」となっています。
前述の健康経営優良法人(中小規模法人部門)に申請するには、健康宣言事業への参加が必須です。
健康経営銘柄
健康経営銘柄とは、優れた健康経営に取り組む上場企業を経済産業省と東京証券取引所が選定・認定する制度です。この制度は、従業員の生産性や活力が向上し、長期的な企業価値や株価の上昇が期待される企業を投資家に紹介することで、健康経営を促進する目的で設立されました。
メリット
健康経営銘柄に選ばれると、投資家へのアピールや企業のブランディング、採用活動での優位性が得られます。しかし、東京証券取引所に上場している企業しか対象にならず、1業種につき1社までという厳しい制限があるため、認定されるのは難しいです。そのため、まずは健康経営優良法人や健康宣言事業の認定を目指すのが現実的です。
健康宣言
企業が健康経営に取り組むことを社内外に宣言する「健康宣言」を行います。これは経営者が従業員やその家族の健康管理を経営の重要課題と認識し、その取り組みを公に示すものです。健康宣言を行う方法として、企業のホームページに専用ページを設けるのが効果的です。
組織体制の構築 健康経営を推進するための組織体制を社内に整備します。健康づくり担当者を幹部や従業員の中から選任し、その指導のもとで健康経営の実務を進めるチームを編成します。健康づくり担当者の任命は、健康経営優良法人(中小規模法人部門)でも必須項目です。
自社の健康課題の把握 効果的な健康経営を進めるために自社の健康課題を明確にする必要があります。現状で不十分な点をチェックし、改善が必要な部分を洗い出します。
計画策定・取り組みの実行 健康課題が明確になったら、それを改善するための計画を立案し、実行に移します。
取り組みの評価・見直し 一定期間が経過したら、取り組みの効果や従業員の反応を評価し、必要に応じて施策を見直します。
このようにPDCAを常に回しつづけることが健康経営ではもっとも重要でありそこをサポートするのが弊社のサービスとなります。
また、各地の健康宣言事業や健康経営優良法人(中小規模法人部門)の認定を目指している場合は、弊社カウンセリングサービスをご導入いただき、申請手続きもサポートしております。